無料ブログはココログ

あわせて読みたい

GA文庫

2010年12月18日 (土)

月見月理解の探偵殺人4

父親の死を通じて、妹と決別し、月見月理解や星霧交喙など「異能」の力を持った人々と関わることになった都築初。そんな初の妹・遥香が「探偵殺人ゲーム」を今更ながら調べているという情報を聞く。そして、そこからたどり着いた先には、勝つと願いが叶うといわれるゲーム内のコミュニティ・「黒の箱庭」があった。それは、参加者を集めて、探偵殺人ゲームを行うという一見普通のものにみえて、裏では参加者に行方不明者が出ているという噂が出ている危険なものだった。遥香を危ないところに関わらせたくなくて、奔走する初だったが……

面白かった! 真実を知りたいがゆえに危ないところに入り込もうとする遥香と、遥香を辛い真実から遠ざけたいと願う初。断絶していたように見えた仲の一端は実に苦しいもので、遥香と初の関係性は、一言では片付けられないものがあった。

前の巻が布石を揃えすぎていて批判したけれど、今回はそれを序盤から見事に使っていた。初に対するハーレム集団(多大なる誇張表現)のやり取りはそれぞれ個性が出ていて、そんな彼女達を使って遥香を助けようとするものの、彼女達を割り切ることもできはしない、お人よし属性の初は心地よいです。

その上、遥香を守るために、黒の箱庭のゲームに参加することになってしまい、親友の従妹をなのる「果無連理」の登場もあって、物語は混沌としてくるのですが、その捌き方が上手いんだよなあ。探偵殺人ゲームにはっきり焦点があてられたのもこの巻が初めてで、そこで渦巻く関係性というのがまた面白いんだ。他者を隠れ蓑にして嘘をつき続けることで生き残る、真実を追究することで勝ち残るという2つの選択肢ではなく、それが複雑に絡み合ったものを、1人1人が選択していくゲームだから、かなり難しい(ように私は思った)けれど、暴論のラインギリギリを振りかざす理解だったり、優しい嘘つきな初だったりと個々の性格がよくでている。個人的には、交喙のプレイも、もっと見てみたかった。

でも、何より良かったのが合間合間の兄妹会話。どうしようもないすれ違いがもどかしく、どちらも譲歩できないことがくやしくてたまらなかった。兄を憎む中で迷いが見える遥香も、自らが守りたいと思うものが偽善であることを自覚する初も、どちらが悪いなんてことはないのに、その主張は平行線のままで、そんな中での遥香の叫びは痛かった。

結論的には大きなものを取り返せるけれど、進めてしまったものも大きくて、初は本当に可哀想だと思います。いつか本当の意味で彼が救われる時が来るといいのに。

月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫) Book 月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)

著者:明月 千里
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年9月16日 (木)

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?

大地震がきっかけで、突如京都に現れた大迷宮。死亡率の高さと引き換えに、それぞれの想いを胸に、大迷宮の探索者を目指す者達の物語。

日常の展開ではコメディ部分も多いけれど、ふいに忍び寄る「死」という重さが妙味を出している作品でした。また、探索者それぞれの「想い」は、その状況下だからこそうまれる複雑性も持ちえていて、時折ふと笑えなくなりました。でも、事前情報で予測していた「死が常に隣にある状況」というものよりかは、皆さん日常を過ごしていた印象です。

でも、1番怖いのは、探索者となり進んでいくうえで真壁が感じた、思考の変化だと思います。初めは、あんなに辛かった知り合いの死の意味が変わっていくあの感覚。それを自覚すると自己嫌悪に陥り、でもその考え方は、探索者として普通なんだという、まるで自分が自分の知らないものになっていってしまうような感覚は、気持ちが悪いですね。また、一方ただの探索者とはレベルが違う能力を持つ、笠置町翠や葵といった所謂強者も、他者の死によって、自らの危険性を感じ取る、すなわち大迷宮は、極端に言うと、誰がいつ死んでもおかしくないと実感していくのが、現実の厳しさを表しているようでした。

また、死に間接的に関わってしまったかもしれないと悩む探索者がいたり、探索者達と少し距離を置く京都の人たちがいたりと、どんな人でも物語が存在するのが、リアリティを追求するようでよい一方、色んな所が中途半端にならないことを願います。

とりあえずは、双子のお姉さん・翠の方で、気になる部分が色々あるので、それの掘り下げたものを読みたいです。

迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫) Book 迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル? (GA文庫)

著者:林 亮介
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年9月10日 (金)

月見月理解の探偵殺人3

父親の死んだ事件を通じて、半ば強制的に月見月理解に付き合わされることになった都築初。そして、夏休み。交喙と共に別荘に呼ばれるた初は、理解本人から、別荘に閉じ込められているある人を脱出させる手助けをしてくれと言われて……

つまらないというか、私の求めているものとは違った。私は、このシリーズに対し、複雑な人間関係と諸々の事情が絡まって起こる「何か」を期待してるんだけど、今回は、次以降の伏線をはりつつ、一段落といったところでしょうか。いや、内容としては、人も死んでいるし、「一段落」ではないけどね!

理解も中々に愉快な性格をしてるけど、月見月家は総じて性格が悪かった。ただ、それが様々な形状をとってるだけで、毒舌で性格が悪いお嬢様・月見月真理とか、イマイチ言っている事に信用性がない月見月久遠とか、皆、いい性格してると思う。それでも、あからさまに「そこの関係性はもっと色々あるんじゃないか?」と思うのがあり、今後のためだとはいえ、若干中途半端。

さて、それで初が理解に頼まれたのは、精神感染をする殺人衝動ウィルスを持つという理由で、監禁されている月見月悪夢を助け出すこと。そこで生じる問題性や、殺人衝動ウィルスなんていう危なすぎる名称のものはさらっと無視し、ただ依頼されたものだからと言い切る理解が相変わらずで、それ故に苦労する初は、毎度の事ながらご苦労様です。

仕方なく、その手伝いをするものの、悪夢が指定した場所に来なかったり、理解が風邪にかかってしまい、屋敷には、未知数の悪夢が潜むという事態に陥ってしまいます。屋敷で起こる事件の「犯人」探しが始まるのですが、その視点をどこにおくのかで大分物語が変わってくる……とこれはこれで、面白かったです。

でも、やっぱりつなぎ感がするんですよね。次以降の布陣を揃える必要性はわかるんだけど、どうも割り切れない自分がいる。1巻が好きすぎた作品は、逆に読むのが辛いかもしれません。

月見月理解の探偵殺人 3 (GA文庫) Book 月見月理解の探偵殺人 3 (GA文庫)

著者:明月千里
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年8月15日 (日)

踊る星降るレネシクル

個性で戦う「ミカホシランキング」が行われているミカホシ学園に、ともに格闘術を学んだ少女・沙良瑞貴を追って入学した連動レンヤ。幸か不幸か「ランキング1位の瑞貴が敗戦した相手」と認識され、闘いに巻き込まれるが、かつて瑞貴を傷つけてから闘うことを止めたレンヤはその全ての暴力を受け入れ、闘うことは決してなかった。そんな中、闘いを挑んだ人々の中の1人・舞波すまるの事情を知り、何の因果か師匠となってしまう。お披露目のときまでに、すまるの星降りの舞という神を召喚する術を成功させようとするが……

面白かった! 鬱屈したものを抱えていたレンヤが、おちこぼれのすまると出会い、その真っ直ぐさに彼自身も変わっていき、最後、過去の因縁と決着をつけるシーンの熱さが素晴らしかった。まあ、最後の諸々は読めた気もするけどね。すまるもすまるで、立派な母親の幻影に囚われて、自分で道を進むことができなかったのが、レンヤに出会ってから前を見つめることができるようになっていって、どんどん強くなっていくのが如実に現れていって、それが最後の星降りの舞に繋がっていくのが、丁寧且つ熱く書かれていました。

レンヤが、すまると瑞貴を被らせてしまったり、闘うことを封印するのは、自分のエゴなんじゃないのか?と悩んでいるのに対して、導いてくれた乾が実にイケメンです。彼自身、自ら抱えているものがあって、それをレンヤに見せてくれたところに、愛を感じます。……今、愛とか書いているとフルチンでバク転したりするバカな乾が思い浮かび、折角の感動がとても儚いものになりました(彼の戦闘スタイルは「愛」を連呼するんです)。いえ、とってもいい奴ですよ、乾は! 若干変態くさいだけですよ。

ダブルヒロインの良さも見事に生かされていたと思います。最後の恋の鞘当に、これから始まっていく恋愛関係の縺れが想像できて、ニヤニヤしちゃったのは私だけじゃないはず。これから、益々ミカホシランキングも激しくなっていくだろうし、色んな面が楽しみですね。

レンヤが結ばれるのがどっちかはまだわかりませんが、どちらの娘も素敵だと思う。思うけど、でも私は、相変わらずガチホモルートを望んでしまう……乾がもっと絡んだり、カタナとこれから仲良くなって、レンヤは男女交えての総受けになってしまえばいいんじゃないかなってごめんなさい石を投げないで。冗談(であって欲しい)です。

2巻も今月出てたと思うので、月見月の新刊と一緒に買いにいってきます!

踊る星降るレネシクル (GA文庫) Book 踊る星降るレネシクル (GA文庫)

著者:裕時 悠示
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年4月22日 (木)

月見月理解の探偵殺人2

妹の遥香に、父親の自殺の真相を教えない事を条件に、探偵・月見月理解の助手兼下僕になる契約を交わした都築初の話。初が所属する放送部に入った対人アレルギーの後輩・星霧交喙は変わった子で、何かをずっと探し続けていた。ある日、彼女の忘れ物を届けようと後を追うと、近頃頻出しているという不審者に彼女が襲われている場面に出くわす。当然のように助けた次の日、唐突に彼女から、姉を殺す手伝いをして欲しいと言われる。突然のことに驚き、悩みながら帰ると自宅には、月見月理解がいて、彼女にも交喙の姉・花鶏を殺す手伝いをしてくれと言われるが……

うーん……悪くは無いんだけど、1巻の方がずっと好きだった。ラストのひっくり返しは顕在だし、ミステリーとしても結構なレベルのものだとは思うのだけれど、章が進むごとにみえてくる人の汚さに、犯人は誰かとハラハラしながら読んでいたあの頃の気持ちには程遠いかな。

相変わらず理解が傍若無人、唯我独尊なのはかわらず、暴言なんてレベルではない言葉を吐き出しているわけなのだけれど、前は本当か嘘かもわからない弱さがみえたのと対照的に、今回は、白を黒にする行動力と推理で、彼女の強さが目立ちました。

交喙も、あまり感情を表に出さないのにもかかわらず、中々行動力のある子だけど、やっぱり理解には敵わない。理解に対してはっきりともつ敵意は、なんだかんだで、正論を含む暴言に翻弄されてきた人々が多かった中で印象的だったから、彼女を言い負かせることが出来るくらいになってくれたら、面白いんだけど。でも、交喙には、明確な弱さがあり、そんな彼女が背負っているものを知ってしまった初が、1番辛い立場にいるのだろうなあ。ある意味で、花鶏と自分がそっくりだと気が付いてしまった彼の今後の立ち回りが気になる。

色んな変わった人に好かれる初が、今回も花鶏という少女を中心とした事件に巻き込まれていき、ある「ゲーム」に参加することになってからは、状況が難しすぎて、ほとんど推理しなかった自分がいる。多分、そこのところの根本はしっかりした作品なんだと思うけど、自分が下せる評価が「初と理解のコンビは色々と凄い」で終わるのが、若干情けない。

しかし、交喙と花鶏にしろ、初と遥香にしろ、これから何時かは向き合っていかなければならないのかと考えると、そこらへんが1番苦しい。遥香がひたすらに初を憎むのも、いつか真実を知ってしまったときに、自分の首を絞めることになるんじゃないかとか考えちゃうと、初を憎む事で成り立っている狂気を孕んだ性格は、あまりに脆すぎる。見ていられないほどに。

初が、だからこそ真実を隠す気持ちもわかるし、もう後には引けないのだろうけど、いつかその行動の是非が問われる日もきっと来るはずで、その時はどうなってしまうのだろうか。

それじゃなくても、複雑な人間関係内に更なる爆弾を抱え込んでしまった初だけど、彼はそんなに弱くないと信じて、応援していきたいです。

月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫) Book 月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)

著者:明月 千里
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2010年3月10日 (水)

ばけらの!

新人ライトノベル作家・杉井ヒカルの周囲には、それはそれは変わった同業者達がいた。隣に住む博打大好きな獣耳少女・イズナ、ロリな姿でエロコメを世に送り出す座敷童の大家さん・つばさ、ゾンビ作家・風姫屍鬼、女の子大好きな淫夢魔・エム、陰陽師・亜里沙……そんな彼等とのちょっとした日常の話。

「さくらファミリア」のノリに1番近いかな。この作者では、「さよならピアノソナタ」とか「神様のメモ帳」とか、心情重視の作品の方が好きなんだけど、まあよく、こうも違う作風をかけるとは思う。

人間じゃない作家達との、締切前のドタバタにプラスして、人ではない者が抱えるシリアスな部分が混じっているんだけど、作品としては、よくも悪くも普通だった。うーん……掛け合いの部分とか嫌いじゃないんだけど、やっぱりこの作者にはじっくり系の方があってるんじゃないかな。というか、私がそっちの方が好きだ。

私的には、エムの言葉の順序を入れ替えたしゃべり方(「オンナ」が「ナオン」とか)に、緩くエロい雰囲気が、ちょっと好き。こう、自然にエロさ加減が出てくるから、読んでていやらしくない。

名前見ればわかる人もいると思うけど、明らかにこの作者を指しているなーというキャラが多く、そっちでニヤリとする所も多かった。イズナが、株でお金を失っていくところとか、まんま、そのモデルとなったと思われる作者のあとがきであったよなあ。1日で、一気にがくっと変わる株の恐ろしさがわかりました。あと、締め切り前の切羽詰って、逆に遊びに行くあの感覚は、きっと作家だから書けるものなんだろうね。

今回は、1キャラ1章みたいな感じだったので、もし2巻にエムの話がのってるようだったら、読んでみようと思います。

ばけらの! (GA文庫) Book ばけらの! (GA文庫)

著者:杉井 光
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年12月28日 (月)

這いよれ!ニャル子さん

八坂真尋が何かに追われている時。助けを呼んで出てきたのは、クトゥルー神話のニャルラトポテフことニャル子さんだった。彼女曰く真尋は、悪の組織の人身売買のリストに上がっていて、自分はそれを阻止する為に派遣されてきたのだという。そして、なし崩し的に真尋の家にニャル子がお邪魔することになって……

クトゥルー神話の方は全く知らないんだけど、とりあえず原作を色々と都合よく解釈しているだろうことは、想像に難くない。……そりゃ、銀髪美少女の神様がいるはずもないけど。ここは賛否両論わかれるところなのかな。私は、賛成派なんですけど。

そこのインパクトは強いかもしれないけど、この話はそれより、真尋とニャル子の日常会話とかが面白い。ハイテンションでボケるニャル子に、冷静にフォークを突き刺す真尋は、冷たいようにみえるけど、ニャル子の天然の魅力にひそかに赤くなったりと、一々仕草が可愛い。特に最後のデレ部分には「キター!」とニャル子ばりに盛り上がってました。

クトゥルー神話の改変だけでなく、宇宙における地球の立ち居地が、ありえないとはわかっていつつも、妙に面白い。娯楽品のレベルの高さが認められて、保護対象になってるとか、しかもその娯楽品は主に、アニメ・漫画・ゲームと2次元系統であるとか……ニャル子が日本に来て真っ先に、そういう専門店に行ってまとめ買いしてたのには笑った。エロゲ片手に説明は言い訳にしかならないと思うけど。

私は結構、ネタ系の作品が好きではないんです。だけど、この作品には、色んな小ネタが満載なはずなのに、不思議と嫌いにならなかった。常に物語全体のテンションが高いからかな。自然と調和している感じで、それよりもその後の真尋の突っ込みに目が向いてました。

敵を容赦なく散らすニャル子さんが、天敵に出逢ってピンチに陥るんだけど、実は相手の方は……と敵の限りない一方通行っぷりは、なんというか苦笑。ニャル子がぶち切れるのも道理というものだ。

あ、でも1番ふいたのは、真尋が人身売買のリストにあがっていた理由ですね。正直、それはそれでその後がみてみたい気もするんですが、やっぱり無理かな。うーん、外伝でいつかネタ的にやってくれないかな。大丈夫、一部の乙女は君を応援してるよ、真尋君!

「月見月理解の探偵殺人」も面白かったし、GA文庫には好みの作品が多いのかもしれない。もうちょい、色々と探ってみようかな。

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫) Book 這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

著者:逢空 万太
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2009年12月26日 (土)

月見月理解の探偵殺人

都築初のクラスへと転校してきた、1人の車椅子の少女。彼女は自らを君筒木衣梨花と名乗り、存在感でクラスを圧倒させ……そして、初を「れーくん」と呼び、キスをした。当初は見に覚えのない初だったが、そのあだ名がかつての探偵殺人ゲームでのプレイヤー名からとられたものであり、彼女がそのゲームでの伝説的なプレイヤーであることを知る。彼女は、自ら探偵を名乗り、言った。「この学校に、人殺しがいる」と。そして、その殺人事件は初の父親が殺された事件にまつわるものであり……

これ、すごく面白かった! ちょっとあくが強いから、人を選ぶかもしれないけど、お勧め。本を読んでてこんなにハラハラしたのは、久しぶりかもしれない。

まず、衣梨花と名乗りながら、自分の名前は、月見月理解であり、理解と呼べと初に強制してきた彼女のキャラがとても濃い。大財閥・月見月家の探偵を名乗る彼女は、人前で堂々と卑猥な言葉を口にしたり、平気で人を侮辱したりと、もうやりたい放題……のように見えるんだけど、それが物語の終盤でがらっと変わる。まあ、その弱さも本当かどうかは定かではないんだけど、それがまたたまらない。

理解が請け負ったという依頼は、自殺と思われていた初の父親を殺した犯人をみつけること。依頼人のターゲットは初の妹・遥香。依頼人は、この依頼に命を賭けている、というのとは別に、初には、ネット上の探偵殺人ゲームと、現実に近づけた探偵殺人ゲームが提示される。

それは、かつてネット上で理解が1度だけ敗戦した、初に対する挑戦状。妹の命を助けるには、3通りの方法がある。ネット上のゲームで生き残るか、現実のゲームで、理解が持つ特殊能力を当てるか、真犯人の指定もしくは妹の犯人説を否定するか。期限は1週間。

探偵殺人ゲームは……元ネタを知らないから例えられないし、ちょっと説明がしにくいんだけど、真実を追究してそれを信じさせるか、嘘をでっちあげてそれを信じさせるかのどっちかで生き残れるゲーム。えっと、漫画の「doubt」っていうのを知っている人がもしいれば、それがちょっと複雑になったものと考えてください。こう書くとまるでその漫画が本家のようだけれど、多分元ネタが一緒なだけなはずです、念のため。

とにかく、7日の内に行動を起こさないと、妹が犠牲になるんだけど、日にちがたつにつれ、色んなキャラの化けの皮が剥がれていくのにはハラハラしっぱなしだった。品行方正な副委員長、快活な妹のもう1つの面がみえてくるにつれ、物語がどんどん複雑化していくので、ゲームとは別な人間関係のほうも、凄く味が出てくる。

特に6日目で、初にそれぞれ好感を持つ2人の少女の裏面が、理解によって明らかになるシーンは、一気に読んでしまった。それを暴露する理解に対して、平手打ちをした初には……あーでも、彼がどういう人であるのかについては、読みきった後に読者が感じることなんで、このくらいにしておきます。

エンドは、ハッピーとは言い切れないけど、切なさと爽やかさで、胸がしめつけられました。結局、誰が正しくて、間違っていて、良くて、悪いのかは、その目で確かめてもらいたいです。

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫) Book 月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)

著者:明月 千里
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

2008年7月30日 (水)

おと×まほ

男の子×魔法=極上の萌え

概要

平凡な町でごくごく普通に暮らす中学生・白姫彼方(♂)はある日、母から、無理やり謎の契約をさせられて魔法少女にされてしまう。女の子の格好をすることを恥ずかしがりながらも、敵と戦う彼方(通称かなたん)の未来に明日はあるのか?!

感想

可愛い男の子が無理やり女装をさせられる。

今の言葉に反応した人は、即購入をお勧めします。何と言っても、この作品の魅力はそこに大きく依存してるんですから! いや、頬を染めながらモジモジとする男の子って存在だけで萌えません? 萌えるよね!

物語としてはどうなんだろう、まあ、最後のほうでは中々に真面目な話でかなたんがコンプレックスを克服するのですが、ほとんどは女装を恥ずかしがるかなたんの描写なので。

だから、おおよそはギャグかな。詩歌としては萌えを堪能できてごちそうさまでした。

まとめ

★★★☆☆。だからといって、これ以上の高得点は少し駄目な気がする。おもしろいことはおもしろいけど、これは高得点を付けずらいな。

おと×まほ (GA文庫) Book おと×まほ (GA文庫)

著者:白瀬 修
販売元:ソフトバンククリエイティブ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

最近のトラックバック

2012年4月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30