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2010年8月

2010年8月29日 (日)

ベン・トー6 和栗おこわ弁当

半額弁当をとることに命をもかける、「狼」と呼ばれる人々のバトルロイヤル。その狼の1人・佐藤洋は、着々と実力を重ねながら、ある特殊なスーパーで半額弁当に出会う。あの氷結の魔女・槍水仙をしても取れなかった半額弁当を取ってみたいと佐藤が願う一方で、学校は文化祭が近づき、その文化祭に槍水の妹が来るという。槍水が友人のイベントにかりだされて、代わりに面倒を見ることになった佐藤。だが、その彼女が、何とスーパーに行ってみたいと言って……

文化祭と新たなるスーパーでの争い。2つの大きな話がとても上手く絡み合っていて、でも完璧すぎる文章というわけではなく、佐藤の馬鹿さ加減が滲み出ているからすらすらと読めてしまい、気付いたら読みきってしまうという恐ろしい罠。そして、相変わらずお弁当がおいしそうだから、狼達と一緒に私も自分の空腹感と戦いました。

半額弁当争いでは、槍水先輩が取れなかったお弁当を取ってみたいとひそかに燃える佐藤の青春臭さにニヤニヤしたり、新たなる敵・山木柚子との攻防にハラハラしました。この山木は、あるスーパーにしかいないという特殊っぷりで、それがまたお話の終盤でちょっと意外な結末を見せることになるんだよね。彼女は、ある意味半額弁当の争い以上の戦いに身を投じてしまって、今後それがどうなるかが楽しみ。

それで、その槍水が取れなかった弁当が出るスーパーは、少し高級志向の場所で、それゆえにそもそも半額弁当が出にくい+槍水が取ろうとしたその時は、ちょうどスルーアという、文化祭前の用意にお弁当を買う学生につられて、半額になる前にお弁当に手を伸ばしてしまう狼達が出てしまうときだったので、まあとても難しい時期だったがゆえなのですが、お姉ちゃん大好きな妹・茉莉花はまだ幼いこともあって、それを上手に理解することができず、ただ「強い姉が負けた」のだと、それだけを噛みしめてしまったのが悔しくもあり、でも1番辛い思いをしているのは槍水なんでしう。

槍水自身も妹が可愛くて可愛くて仕方がなく、妹の前では常に強い姉でいたいと思い、妹もそれを信じる。だからこそ、妹は「負けた」姉が信じられず、ならばもう1度戦ってきて欲しいと願う。いくら特殊な場合でも負けたことにかわりはない槍水は、弁解ができず、でも状況が、半額弁当を取りにいけるものではない……そんな複雑な関係性に身悶えした。

一方、文化祭では、あやめと一緒に遊んだり(いつもどおり、お財布代わりにされたともいう)、みんなで白粉が脚本を書いた劇を見に行ったり、普段スーパーで戦う狼達が出すお店に行ってみたりとみんなで騒ぐのが楽しいことの象徴となっていました。でも、その一方、クラスメイトから無茶振りで脚本を押し付けられた白粉が、何とか状況を打破しようと頑張る姿、でもそれを要領の良い嫉妬で横取りされ、そんな中で、自分はみんなに笑ってもらえればそれでいいとそんな風にいうのがとってもかっこよかった。白粉の頑張りは目立たないながらも、ちゃんと普段一緒の仲間はわかってくれるはず。普段は、佐藤を怪しい目で追いかける彼女ですが、そんな中に存在する芯の強さというものがとても印象的でした。

そして、最後に文化祭と半額弁当争いが1つにまとまり、その中で見せた槍水の決断といったらもう、本当守るべきものがあると人は強いということをつきつけられた。最後の弁当はきっと凄くおいしかったろうなあ。

地味に、金城先輩帰還フラグもできたことだし、次も楽しみでしょうがない。

……とか、普通にしめるのも何だかしゃくなので、白粉先輩の努力を追う形で、金城×佐藤ですねわかりますとかいってやる! ガチムチよりか、美形×平凡派なので、金城×佐藤=最高の萌えです。金城←佐藤と思わせといて、金城→佐藤で体のk(あまりに続きが酷くなりそうだったので、強制終了)

ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫) Book ベン・トー 6 和栗おこわ弁当310円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

著者:アサウラ
販売元:集英社
発売日:2010/08/25
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2010年8月28日 (土)

ツァラトゥストラへの階段3

姉を助けるために、コントロールに失敗したら破滅をもたらすパルスを受け入れる道を選んだ福原駿介だったが、彼はいつも何処か甘さを捨てきれないでいた。そんな時、ゲームサイドから携帯ゲーム器を使ったゲームに参加しないかという提示がある。その画面には、自らの甘さから、結果的に失ってしまったオリビア囚われていた。具体的な説明もされないそのゲームに、迷わず飛びついた福原だったが……

今回は、ゲームシステム自体は大分簡単で、絆と福原の甘さが試されるゲームだった。オリビアを助けようと思うには、他者を蹴落としたり、時にはオリビアさえも追い詰めなければならない。自身の選択に迷いながらも、前へと突き進んでいく彼の成長が眩しかった。でも、ゲーム設定は相変わらず性悪。

ゲーム器内にいるオリビアと協力して、立ちふさがる魔王を切り抜け、囚われたお姫様を助け出したらゲーム終了。後は、現実とゲーム内が座標でリンクしているので、福原は障害物となるデータをオリビアにおくらなければならない……とまあ、設定自体は単純で、必ず蹴落とさなければならないのは魔王しかいないので、協力プレイができる。特に、ゲームをプレイする福原側は、直接的な危険もないので安全だ、と言い切ることができないのが、やはり囚人ゲームなんですけど。事態が生命の危機に陥らないとわかると、他者を蹴落とそうとし始めるのは、人間の性質なんだろうか。人は、生命の危機に陥ったときに、その本質が見えるともいうけど、少なくとも囚人ゲーム内においては、飴が大きいという状況に違いないので、逆の現象が起こっている気がする。

ゲームを成功すればオリビアを助けられるかもしれないけど、そのためには時に彼女をも酷使しなけれならない。微妙な選択が鍵を握るから、迷っていると手遅れになってしまうかもしれないし、でも彼女を助けるために彼女を傷つけるという選択は本当に間違ってないのか否かと考える時間も少ない。いくら、直接の危険性はないとしても、パルス能力を酷使するのは、やはり負担にはなるわけだし、情報が正しく伝わらないと、痛みを感じながらも健気にもそれを隠そうとするオリビアを見なければならない。うん、囚人ゲームをつくっている奴は絶対に、底意地が悪い。

そんな中で出会った高橋真理亜という、今回は協力しているにすぎない高ランクの女性は、確かに性格はいいのだけれど、その性格の良さというのは、人より常に上にいる環境が作り出すものなんですよね。だからこそ、完璧すぎる正論が悪意に満ちているように見えるという悪循環。いっそ自分の好きなように行動するタイプのカレンのほうが清々しかったかもしれない。だから、福原がつい八つ当たり気味に行動してしまったことは仕方ないと思うけど、真理亜からしたら、何も間違ったことはいってないのに、責められるなんて理不尽すぎるのだろう。でも、それは持つものの驕りにすぎないと思うけど。

結論的に言うと、このゲームの本質は、魔王は何処にいるのかという事で、それを導き出せてもハッピーエンドとはいえない。最後のオリビアとのシーンは、正しかったとはいえ、福原にとって辛い選択だったに違いない。でも、オリビアを想う福原の気持ちが溢れていて、とても悲しい中で綺麗だった。ああ、でも最後のイラストの福原とオリビアの表情の対比と、すれ違っていく彼らの行く先があまりにも違いすぎることがやっぱり辛い。

オリビア関係の一応の終わりや、今後のパルス能力保持者の未来、福原の未来が仄めかされたりと、一段落はつくけれど、これで完結だとしたら、福原がどんどん泥沼に嵌っていきそうで、あまりに可哀相だ。姉を探せば探すほど、彼は今後に深く関わっていかなければならないけど、きっと彼が戻ることはないんだろう。

冷静に、姉を探すという初めの目的を考えると、福原はまだ何処にもすすめていないんだよね。ただただおちていく彼の物語がここで終わりなんて、あまりに酷いと思うんだけど……どうでしょう。続きは無理ですかね。

ツァラトゥストラへの階段〈3〉 (電撃文庫) Book ツァラトゥストラへの階段〈3〉 (電撃文庫)

著者:土橋 真二郎
販売元:アスキーメディアワークス
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ツァラトゥストラへの階段2

人の精神に寄生して能力をあげる事と代償に、コントロールが失敗すると寄生主を破滅させるという得体の知れない存在・パルスに感染した福原駿介。失踪した姉がパルスに関わるゲームで失敗し、プリズナーという最下層に落ちたと聞いて、姉を探すために、パルスのコントロールを促す危険なゲームに参加することを決意する。だが、中々自分の能力が実感できずに日常生活を送っていたとき、あるパーティーの招待状が届いて……

パーティーで出会ったパートナーと一緒に、迷路を探して、脱出を目指すというのが今回のゲームでしたが、離脱可能の危険性の少ないゲームと謳われながらも、段々と時間が過ぎていくにつれ、離脱自体が困難になる、自らの首をじわじわと絞めていくようなゲームだった。

福原が出会ったパートナー・カレンは、初めは綺麗なお姉さんといった感じの人だったんだけれど、ゲーム内での探索が女性、画面を使っての情報収集が男性と決まってからは、「あなたには期待してるんだから」とにこやかに人を追い詰めていく姿が、酷く残忍だった。初めは、男性が力を握っているように見えていたのが、立場が逆転していき、力関係の変化が生じていくにつれ、カレンの言葉もどんどんとざらついてきて、かける「期待」がとっても重たい。

そんな中で、軽口を叩いてある程度の友好関係をカレンと築きながらも、ずっと情報処理をしているせいで、精神的にも肉体的にも疲労していき、その上カレンの言葉もきつくなっていくから、相乗効果で弱っていく福原があんまりに可哀想だった。同じ立場にある男性も、女性に金と態度で媚びていく姿がみえるわけだし、彼にかかるプレッシャーとはどれくらいのものだったんだろう。疲れていけば、益々情報が追っていけなくなるし、でも時間がたてば情報が増えていくし、画面のマップは縮小化していくし、出口は見つかる余地が見えないし……それで、女性のご機嫌をある程度とらなければいけないわけなんだから、段々自分が何をやっているのかわからなくなりそうだ。

ゲームのちょっと前に、福原のパルスは、安定しない爆発系だと診断されていて、中々パルスの能力が扱えている実感がないのも、追い詰められた要因の1つであろう。一方のカレンは、自分の華々しい能力を見せているし、何というか今回のゲームが安全なレベルというのは、中々に鬼畜な設定ではなかろうか。

そんな中でも、甘さを捨てきれない福原は逆に芯が通っていて、手に汗を握りつつ頑張れ頑張れと応援してしまった。甘いんだよ!と突っ込みつつ、でもそこが良い。

そういえば、このゲームの最後のほうに出てきた美少年は、何故イラスト化しなかったんだ! きっと粒子が飛んでいるような笑顔が眩しい王子様タイプですねわかります。彼がこの巻の癒しだって私信じてる。あれ何か物語が大変だった代償が私に出てるよ。

ゲーム設定は、今回の方が好きだったんだけど、ちょっと残念な誤植があったのがマイナス。カレンと福原は、初め、「さん」と「ちゃん」付けで呼んでいたのですが、仲が険悪になりかけたときに恋人の演技をして、雰囲気だけでも仲良くなろうというお遊びの延長で、それぞれ呼び捨てになるのですが、そのやり取りをする前に、カレンを呼び捨てにしている福原がいるんだよね。まあ、私のは初版だから後のは直されているかもしれないけど。

ツァラトゥストラへの階段〈2〉 (電撃文庫) Book ツァラトゥストラへの階段〈2〉 (電撃文庫)

著者:土橋 真二郎
販売元:メディアワークス
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2010年8月22日 (日)

ツァラトゥストラへの階段

人の精神に寄生するという、得体の知れない存在・パルス。パルスの宿主は、知力・体力があがることと代償に、常にパルスを制御し、いつ訪れるかわからない破滅を避け続けなければならない。そんなパルスに感染していることが発覚した高校生・福原駿介は、初めはパルスそのものをなかったことにする消失の道を選ぼうとする。だが、失踪した実の姉とパルスの関係性を知り、姉を探すために、パルスをコントロールしていく為のゲームに参加することを決意するが……

福原の、常に物事の可能性を考えて行動するけれど、最後の最後で甘さを捨てられないという、そんな性格が結構好みだったりする。学校内で密かに行われる賭けにおいても、7位という高順位を掲げながら、それ以上上にはいけないのは、重要な場面で相手のことを気遣ってしまうという優しさがあるからで、そこらへんを包括した学内ゲームは、もうちょっとちゃんと読んでみたかった。さらっと出てきた感じでも、高順位のものは特に、それぞれの個性があふれ出たスタイルがありそうで、未だ謎めいた1位の正体と共に突っ込むと、面白そうなんだけど。

まあ、物語だとすぐに、彼はパルスの成長を促すゲームに巻き込まれることになるから、そんな余裕もないのだけれど。密室内で、安全と金と、他者との関係性とのバランスを保って、脱出を図る初めのゲームでも、彼は冷静に対処することができたのにもかかわらず、自らの甘さを露出してしまい、やっぱり最後の最後で誰もが傷つかない選択肢を選んでしまう。けど、そんな彼とは逆に、他のメンバーは、安全から、金へと最優先項目がかわっていき、協調性を見せていたのに、あっというまにボロがはがれて、1人ずつ醜さを露呈していく。協力関係にあったはずの人も手のひらを返し、自分の甘さを痛感しながらも、やっぱり自分の信念を裏切れない彼が、軽めの口調とは裏腹にとても真っ直ぐで、そんな状況でもないのに、思わずニヤニヤしてしまった。

そのゲームが終了した後も、初めは忘れることを選んだのに、姉のことを、パルスに感染する少女から聞き、再びパルスと自己とのバランスの闘いに身を投じることを決意する。真実を知って、姉への言動に対する後悔と共に、必ず姉を見つけてやろうとする姿は、やっぱり何処か甘くて、でもそれが心地よい。

何もかもを冷静に切り捨てられる人って凄いと思うし、そういう人が主人公の話もそれはそれで面白いんだろうけど、心に秘めた何かがあって、でもそれを表に出さない、そんな飄々とした部分を持つ主人公も面白いんじゃないかな。

しかし、ゲームに負けてプリズナーという立場におちた姉を探そうとしていたのに、結局、その途中で出会った少女・オリビアに道具以上の感情を持ってしまって、遊びのゲームをマネーゲームと変えた後、身動きが取れなくなってしまう福原には、若干苦笑いだったけど。でも、そんな甘さが幸を招くこともあるし、その逆も勿論あるしで、今更彼の本質を否定することもないんだろう。少なくとも私は、今後も彼の行く末に付き合っていきたい。

……でも、これって完結してるのかな。3巻が出たその後は、新シリーズになっているらしいけど、2巻を半分くらい読んでいる今でも、3巻完結の気はしないんだよね。まあ、その前の扉の外も、若干、中途半端で終わってしまった気はするから、今更なのかな。そういうのはちょっと嫌だな。

ツァラトゥストラへの階段 (電撃文庫) Book ツァラトゥストラへの階段 (電撃文庫)

著者:土橋 真二郎
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2010年8月21日 (土)

華ヤカ哉我ガ一族 雅ルート

最近、暇な時に「華ヤカ哉我ガ一族」という乙女ゲーをやってるのですが、これが中々楽しいんですよね。ちょうど1週終わったので、少し感想をあげていきます。多分、普通にネタバレしてると思うので、閲覧注意。

舞台は大正時代。主人公は、田舎育ちで、決して裕福ではない家の娘です。倒れてしまった父親の代わりに、街へ仕事を探しに行ったところで、宮ノ杜家という凄く裕福な家の使用人として働かせてもらえることとなり、家を出て、働くことになるのだが……といった感じなのですが、もしこれで「はいはい、ご主人様とラブラブになる話なのねわかります」とか思っている人がいたら、それは大間違いです。

あくまでも、主人公は「使用人」。「ゴミ」だの「虫」だの「貴様」だの、名前を呼んでもらうのも一苦労だし、多少優しい人もいますが、それは「どうでもいい」という結構適当な理由だったり、主人公に限らず誰にでも優しい人だったりするので、初期は、甘いのあの字もありません。

宮ノ杜家には、6人の息子がおり、それぞれ母親が違うという複雑な環境なのですが、それというのも、当主の父親が、自分の跡継ぎをよりよく選ぶ為と、もう1つ、ゲームの中であかされることなので、大まかにいいますと、自分が楽しむ為なのです。

今回、私がやったのが、末っ子の雅という子なんですが、これがまあ、ツンデレなんていう可愛いものではなくて、「ゴミ」だの「虫」だの連呼し、主人公が折角我侭に付き合って、学校に持っていったお弁当をその場で落とし、「それを片付けたら帰っていいから」みたいなことを平気でいう、実に生意気なクソガ……いえ、お子様です。

じゃあなんで、こんな子を初めに選んだかと言うと、声優さんが大好きなんですよね。でも、いくら岡本信彦さんでも、初めは、怒りで頬をピクピクさせながらやってました。

でも、これが夏くらいになってくるといいんだよね! 名前を呼んでくれるようになったり、質問を許してくれるようになったり、罵倒が憎まれ口くらいになったり、普通のことがこんなに嬉しいとは思わなかった。

段々、時間がたつと、デレ部分がみえてきて、風邪をひいた主人公のところへわざわざお見舞いにきてくれたり、当主の専属になりそうだったところを「僕の物だから」と無理矢理、止めさせてくれたりするんですよ。でも、この時点ではまだ「恋心」ではなく、「独占欲」としか認識していなくて、恋愛をゆっくりとやっていってくれるところが実によかった。

「独占欲」と「恋心」がわからず、「専属」と「結婚」を同義に考えている彼がひどく可愛いんですよね。ああ、そこは違うってとかニヤニヤしながら見れました。そして、結論的に、自分が当主になるまで、主人公はずっと自分のものでいるという契約をするんです。

でも、じゃあ当主になった後はどうするのか? 今度は、その事実を考えなければいけなくて、そんな間に2人の身分の差がつらい現実となって、押しかかってきます。

雅と主人公のやり取りの温度があがっていくのも素敵ですが、個人的には雅のお母さんが大好きだ。雅を利用してしまった負い目を感じて、どうも遠慮するお母さんですが、彼女も1人の人間であり、抱えているものがあって、そこが爆発してしまったシーンが、とても人間味があったと思う。お母さんは優しい人なんだけど、いつでも引いていて自分なんか……といった風な人だったから、私だってあんたのことが嫌いだ!とはっきり、自分を嫌う息子に叩きつけた姿に、心の中で拍手した。それもあって、1回関係に亀裂が入ってしまうのですが(まあ、元々関係はよくないのですが)、雅が最後大人になってくれるところは、予測できていたといえ、感動してしまいました。終わりよければ全てよしといったところで、これからはまた違った親子関係がみられるんじゃないでしょうか。

とまあ、このルートは、それ以外にも当主を目指す途中で巻き込まれた事件とか、天然ぶりが炸裂したダンスパーティーとか色々見所があるのですが、1つ残念だったのが、オチ。

離れ離れにならなければならない現実に、自ら身を引いた主人公を追いかけて居場所を突き止めてやってきてくれた彼はかっこいいんだけど、最後の「好き」は、この生意気なツンデレお坊ちゃまがたどり着くには、はやすぎる!

多分、あと1年くらいかけないと彼は気付かないって!と思わず突っ込んでしまった。せめて、ここにもっていくまでに他の兄弟とかから「お前はあいつをどう思ってるんだ」という質問をされたりして、独占欲と答えたものの、更に突っ込まれて、あれ、これはどういうことなんだろう?とか考えたりしているシーンが欲しかった。

……いやまあ、普通の乙女ゲーにはそこまで求めないのですが、これはかなり丁寧なつくりなので、最後まで徹底して欲しかったんですよ。このゲームの難点をあげるとすれば、そことロードが多いくらいですから。自分はロードの多さがあんまり気にならなかったので、人にもよると思いますが。

エンディングの曲も素敵だったし、後日談の主人公のあしらい方が年季入っていて、それに反応する雅が可愛すぎた。何これ誰ですか。虫とかゴミとか言われたあの日が遠いです。

しかし、今「みんなに優しい」4男・進をやっているのですが、11月くらいになっても大して甘くない……雅ルートだとこのあたりは、ニヤニヤしてたはずなのに、この人は態度が変わらないから、逆に不安になってくるどうしよう。何だか、初めは罵倒しているキャラの方が、ギャップで後が面白いんじゃないかとか思えてきた。あ、でも実際「貴様」呼ばわりしてくる軍人の勇ルートはかなり甘いとかなんとか。ああ、確かのにルートに入ってなくても、見れるデレイベントは可愛すぎてゴロゴロしました。結婚しない理由が、昔読んだグリム童話とか、お前はどこの乙女だ! 私よりかわいいだろ馬鹿!

1週15時間くらいとかなり長かったのですが、2週目からはスキップ多様と、探索をほぼカットしているので、わりとはやく終わりそうです。半分以下で終わるかも。

進ルートの感想も、書くつもりだけど、来月くらいになる予感がします。ちょっと、試験前で忙しいので、まとまった時間がとれないかも。

2010年8月15日 (日)

踊る星降るレネシクル

個性で戦う「ミカホシランキング」が行われているミカホシ学園に、ともに格闘術を学んだ少女・沙良瑞貴を追って入学した連動レンヤ。幸か不幸か「ランキング1位の瑞貴が敗戦した相手」と認識され、闘いに巻き込まれるが、かつて瑞貴を傷つけてから闘うことを止めたレンヤはその全ての暴力を受け入れ、闘うことは決してなかった。そんな中、闘いを挑んだ人々の中の1人・舞波すまるの事情を知り、何の因果か師匠となってしまう。お披露目のときまでに、すまるの星降りの舞という神を召喚する術を成功させようとするが……

面白かった! 鬱屈したものを抱えていたレンヤが、おちこぼれのすまると出会い、その真っ直ぐさに彼自身も変わっていき、最後、過去の因縁と決着をつけるシーンの熱さが素晴らしかった。まあ、最後の諸々は読めた気もするけどね。すまるもすまるで、立派な母親の幻影に囚われて、自分で道を進むことができなかったのが、レンヤに出会ってから前を見つめることができるようになっていって、どんどん強くなっていくのが如実に現れていって、それが最後の星降りの舞に繋がっていくのが、丁寧且つ熱く書かれていました。

レンヤが、すまると瑞貴を被らせてしまったり、闘うことを封印するのは、自分のエゴなんじゃないのか?と悩んでいるのに対して、導いてくれた乾が実にイケメンです。彼自身、自ら抱えているものがあって、それをレンヤに見せてくれたところに、愛を感じます。……今、愛とか書いているとフルチンでバク転したりするバカな乾が思い浮かび、折角の感動がとても儚いものになりました(彼の戦闘スタイルは「愛」を連呼するんです)。いえ、とってもいい奴ですよ、乾は! 若干変態くさいだけですよ。

ダブルヒロインの良さも見事に生かされていたと思います。最後の恋の鞘当に、これから始まっていく恋愛関係の縺れが想像できて、ニヤニヤしちゃったのは私だけじゃないはず。これから、益々ミカホシランキングも激しくなっていくだろうし、色んな面が楽しみですね。

レンヤが結ばれるのがどっちかはまだわかりませんが、どちらの娘も素敵だと思う。思うけど、でも私は、相変わらずガチホモルートを望んでしまう……乾がもっと絡んだり、カタナとこれから仲良くなって、レンヤは男女交えての総受けになってしまえばいいんじゃないかなってごめんなさい石を投げないで。冗談(であって欲しい)です。

2巻も今月出てたと思うので、月見月の新刊と一緒に買いにいってきます!

踊る星降るレネシクル (GA文庫) Book 踊る星降るレネシクル (GA文庫)

著者:裕時 悠示
販売元:ソフトバンククリエイティブ
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2010年8月14日 (土)

風紀のオキテ2

風紀委員長・八千草疾矢に怪我をさせてしまったことがキッカケで、1年の風紀代表を務めることになった国江北斗。もう1人の風紀・漸人にも、多少なりとも風紀代表として認めてもらうことができ、好調のようにみえたが、ある日の疾矢の「イタズラ」から、妙に疾矢を意識してしまい、距離をおこうとすることで、すれ違ってしまうが……

漸人が可哀相すぎて、全私が泣いた。段々北斗に惹かれていく漸人がキッカケで、北斗自身は、疾矢への恋心を自覚するって、あまりにも彼が不憫だ。しかも、その後、北斗を巡って疾矢と漸人が争うんだけど、北斗は疾矢しかみえていないとか、もう笑ったほうがいいんだろうか。物語としても、その後の漸人はスルーで、北斗の天然交じりの告白で、再び疾矢との距離が縮まるという、作者にも構ってもらえないんですねそうですね。

個人的には、三角関係が希望だったから、北斗が予想以上にはやく決意を固めちゃったのが残念。これからは、2人の事情を2人で解決していくという、益々漸人が「いい人だけど、主人公からは相手にしてもらえない」不憫ポジションを確立していくフラグしかないんですね……。

紳士協定を結ぼう!との関わりもちょっとは出てくるけど、「こういう人がいるんだよー」と実に軽いので、あんまり期待しない方がいいかと。紳士協定2巻では、漸人がほんの数ページだけでも出てくるから、私個人としてはこっちでも期待してたので残念でした。

紳士協定と風紀のオキテだったら、話は後者、キャラは前者のほうが好きなんですけど、ちょっと今回の風紀のオキテはがっかりな面が多かった。それでもまだ風紀の方が好きなのは、単に紳士協定の設定がそもそも好きじゃないという空気を読まない理由なんですが。ちなみに、紳士協定でのおすすめキャラは、芯の通った和装美少年・蓮だよ! 凛としたタイプが大好きです。

疾矢派か、漸人派かといわれたら、キャラとしては若干ヤンデレ交じりの疾矢、ポジションは漸人と浮気性な私ですが、本命は朔夜さんです。和装美人且つ男前で、口は悪いけど、弟の北斗を心配してくれるお兄さんっぷりにキュンキュンきます(この表現ふるいかも)。いつか、先生と付き合う日がくるのかこないのか微妙ですが、先生にだけデレデレな彼も可愛いと思います。

こうじま奈月さんっていうと、BLの大御所なので、書きなれている感は勿論あるんだけど、今シリーズは典型的なBLタイプをつっぱしっていて、逆に刺激が足りませんでした。今でも、王道を貫くその精神は好きですが、個人的にはもうすこしひねっていても良いかな……?

風紀のオキテ 第2巻 (あすかコミックスCL-DX) 風紀のオキテ 第2巻 (あすかコミックスCL-DX)

著者:こうじま 奈月
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
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2010年8月 7日 (土)

ラ・のべつまくなし3 ブンガクくんと腐埒なるキホーテ

ひょんなことから、ライトノベル作家になった・矢文学(通称ブンガク)と腐女子・椎名明日葉の、じれったい恋物語。「かみたまっ」の新刊の売上げが伸び悩んでいるときに、文芸からの引き抜き、そして極めつけに、受験勉強もあり忙しい明日葉とすれ違ってしまい、ブンガクは「自分が何をしたいのか」と向き合うことになるが……

これはとてもいい作品。3巻で完結っていうのが残念なくらい好きな設定なんだけど、クライマックスが1番深く考えさせられる良作で、良くも悪くも文句なしだったな。

この巻で、ブンガクが葛藤する「自分が書きたいものとファンが望むものが違う」というのは、きっと作家さんのほぼ全員が戦っていかなければならないことなんでしょうね。自分が書きたいものは、売れるかわからない。売れなければ、作家としてはくっていけない。でも、ファンが望むものだけを書くというのは、作家といえるのだろうか。物語を作るのではなく、求められたベースで常に積み上げていく……これって作家じゃないんじゃない?ということですね。

「ライトノベルがどんなものなのか」というのは、私も1度は考えたことがあるものです。未だに、ライトノベルは軽視され、文学作品が高尚なもののように評価されることがあり、それはそれで1つの考え方なんだろうけど、じゃあ貴方はどう考えるのかという問題提議に悩んでしまいました。勿論、正解なんかないんでしょうけど、私はこの作品の中でブンガクが決めたものがとても好きだな。悩むブンガクを助けてくれる親友の彼の行動も、恥ずかしく、ニヤニヤものでした。

そんな難しい問題の答えを迫られているときに、あの明日葉との距離がひらいてしまったら、それはもう何があっても仕方がない。明日葉との距離が離れた不安から、つい深読みしすぎてしまったり、普段なら考えないようなことを言ってしまったりと、恋人同士のすれ違いから始まる喧嘩が、色んな問題と同時進行でとてもよく書けている。

だからって、全てがシリアスなわけではなく、エピローグの甘さは、真剣に砂をはきそうになりました。このまとめ方卑怯すぎる。どうぞ末永くお幸せにね!

でもまあ、どんなにシリアスに突入しても、結局は、現実そうそう上手くいかないのに、まとまっちゃうよねといえばそうなのですが、私はそれが「ライトノベル」なんだと思います。だから、このシリーズのしめは、ライトノベルと向き合った作品として実に素晴らしいものだったんじゃないかな。

しかし、姉の登場に思わず目をそらしてしまったのは、ブンガクが2次元アレルギーになったキッカケである彼女がすごく同族だったからとかじゃないんだからね! 私、身内で妄想はするけど、妄想だけだから、うん。似たり寄ったりじゃないです、全然違います。

でも、まだまだこの設定で物語読んでみたかったなあ。圭介とゆずちゃんのデート話とか、絵師さんとブンガク&明日葉カップルでダブルデート(?)とか。明日葉の妄想ネタももっと読みたかったなあ。むむむ。

うん、でも最後にあとがきを読んで、何だか妙にこの作者さんを気に入っちゃった自分がいる。次の作品も是非是非読んでみたいです。

ラ・のべつまくなし 3 (ガガガ文庫) Book ラ・のべつまくなし 3 (ガガガ文庫)

著者:壱月 龍一
販売元:小学館
発売日:2010/07/17
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2010年8月 5日 (木)

粘膜蜥蜴

町の唯一の病院である月ノ森病院の御曹司・月ノ森雪麻呂によって定期的に行われる家への招待に選ばれた、堀川真樹と中沢大吉だったが、雪麻呂の傍若無人な振る舞いのせいで、大吉が死んでしまい、それを隠匿するために、大吉の死体をバラバラにすることを命じられてしまった真樹。だが、そんな時に、軍人としてナムールに出征している兄・三樹夫が夢に出てきて……

凄く、気持ち悪かったです(誉め言葉)。第1章の、死体をバラバラにすることを命じられるも、ちょっと前まで喋っていた級友をバラバラにするという罪悪感と、行為に対する、人間としての嫌悪感に苛まれる真樹の心情だったり、2章で、ゲリラに襲われて、仲間と密林に入り目的地を目指すときの、密林の中で蠢く不可思議な生物の描写だったりと、人が嫌がるような部分を、この人はきっとわかって書いているんだろうと思うくらい見事なもので、それゆえにとても気持ちが悪かった。特に、2章は、ゴキブリが嫌いだからオエッとなった。

しかし、初めは真樹視点のお話かと思えば、2章3章で視点が入れ替わり、終わってみると主人公は、月ノ森雪麻呂ということでした。この子は権力を持っているが故に傲慢ですが、その本性は、真樹が感じたように酷く純粋なんですよね。彼は、傲慢を傲慢と思う術を知らず、そしてそれが許されてきてしまった。だからこその性格で、ある意味彼も被害者であることにはかわりがないわけですが、人間には許されないことがあり、それを最後に償うことになります。でも、それにしても、ざまあみろとも可哀想とも思えず、ただただ予定調和だなとそっと呟きたくなるようなるような、脆い子でしたね。

2章で美樹夫が体験したことは、少し不思議で、酷く不快なものだけれど、軍国主義である日本の主義を貫き通さなければならないことは理解していても、善悪を考えてしまったり、弟の無事を祈ってしまったりした彼だからこそ、迎えた結果であると考えるとちょっと救われた気はする。この2章は、人を純粋に想う気持ちの強さでできていました。

この作品に一貫しているテーマは、「愛」なんじゃないかな。それは、男女の仲のものだったり、兄弟愛だったり、親愛だったりと様々な形があるのだけれど、それがこの中では幸をそうすることもあれば、そうとはならないこともある。それをドラマチックに書くのではなく、ただ淡々と「こういうことだってある」と書いてるように感じました。著者とは、絶対に気があわなそうだ……

別に誰が悪いとかいう話ではないけれど、見える狂気は怖いものですね。雪麻呂の母が選んだ男に対する、父親の行動に驚く一方、この時代だったら女性は1歩下がるという固定観念が強そうで、そこらへんが現代と昔の違いなのかと思うと、その時代の変化が怖いんです。昔は、それが狂気でもなんでもなかったのかな。心から生まれる時代を間違えなくてよかったといわざるを得ない。

この作品は、1冊で綺麗にまとまったと思います。著者の他の作品を読みたいかといわれると、微妙ですが、読む価値はあったかな。

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫) Book 粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

著者:飴村 行
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
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きみが見つける物語 友情編

「友情」にまつわる短編集を収録している本ですが、この作者が大好きだから買う!なんていう買い方をすると、後悔すると思います。なぜならこれは全て既存の作品から引っ張ってきたものしかなく、書き下ろしがないんです。その上、この作者はこんなものも書いてるよとか、このキャラに纏わるほかの話が詳しく読みたければ収録されているこれを買ってね、みたいな紹介が作者1つ1つについていて……よく調べないで、全部書き下ろしだと思った自分も悪いんだけど、一言で言うと、凄くむかつきます

「秋の足音」は、保険会社に勤める主人公と、引きこもり気味の親友が視覚障害者に纏わる謎を解決する話で、私的にはこれが1番面白かった。これは、ホイホイと同シリーズを買ってしまいそうな予感。視覚障害者といっても、後天的なものである彼の後をつけるストーカーの想いが、とても素晴らしい友情のように見えて、実はそうではないという微かな皮肉や、主人公が親友との間柄を事件を通して考え、それがもう立派な「友情」でしかないことを本人達はわからないというのがよかった。主人公と親友は、色々と正反対で、しかも彼らは社会人ですから、幼い頃のようにあけっぴろげに友情を語るのには照れくさいようだけど、でも彼等の間にあるのは、そんなちょっと恥ずかしくなるくらいの「友情」なんだよとニヤニヤしてしまった。

1回だけ願いを叶えてくれるところからその名前がついたとある神様に纏わる不思議な話・「いっぺんさん」はよく出来てはいたけど、話が真っ直ぐすぎて少し物足りなかった。でも、友情という意味では、1番そのテーマに沿っていましたね。

「サマータイム」「あったかくなんかない」は、個人的な印象では友情というテーマで捉えるには邪道なんじゃないかと思う。サマータイムは、ある夏に出会ったちょっと不思議な少年と、彼との別れのその後を描いていますが、これは確かに友情もあるけど、物語の今後は、何か不穏な香りがします(いや、憶測でしかないけど)。「あったかくなんかない」を友情でチョイスした意図もよくわからないな。これは、少女が成長していくにつれて、見えてきた過去の真実を思い返している話だと私は思ったんですが。入れるにしても、「初恋ともいえるのかも」と言っているくらいだから、この本じゃないんじゃないかな。いや、友情と恋の狭間ってこと……?うーん。

それにしても、1番怒ったのは「交差点」。もう、短編集ですらないじゃないか、舐めてるのか! これは、重松清先生が書いた「きよしこ」の一部を引っ張ってきているだけじゃないか。というか、そんなことが許されるなら、佐藤多佳子は「一瞬の風になれ」を持ってくればいいのに。

この本をつくった人の意図が全く理解できないという残念な結果になってしまった。

きみが見つける物語  十代のための新名作 友情編 (角川文庫) Book きみが見つける物語 十代のための新名作 友情編 (角川文庫)

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2010年8月 3日 (火)

僕は友達が少ない4

友達がいない寂しい人達が集まって、友達ができるように努力するのを主な活動とする「隣人部」のお話。前巻でソラの正体がバレてしまったわけですが、それでも隣人部は隣人部。相変わらずの雰囲気でお送りします。

ソラの正体が明らかになって、一気に夜空ルートに直行するかと思ったら、意外とそうじゃなくて個人的にはちょっと安心。にしても、夜空が髪を切ったのを、隣人部の中で真っ先にわかったのが星奈というのは、普段いがみ合ってもやっぱり……とちょっとニヤニヤしてしまった。まあ、次の瞬間には、理科と一緒に「ユニバース!」と叫んでいたけどね! 髪を切って中性的になった夜空が白ランを着て、小鷹に絡むとかそれなんておいしい図ですか。ドS生徒会長×へタレヤンキーでご飯何杯もいけてしまう自分がいる。そして、ヘタレヤンキー×女顔舎弟もいいですよね……いえ、すいません。大体冗談です。

今回1番あるある!と思ったのが「盛り」で、星奈が夜空や理科にのせられて髪を盛ってみるという話なんですが、後になって冷静に考えるとおかしいのに、女子高生はその場のテンションで可愛い可愛いと盛り上がりるというのは、よくわかります。というか、女子高生の可愛いの半分くらいはその場のテンションで言ってると思います。

しかし、星奈ルートに行くかと思ったら、まさかのお父様ルートだったり、部活でホモゲ部のDVDみたり、はじめの生徒会長×ヤンキーだったりで、この話も順調に薔薇色に染まってきていますね(誰が何と言おうと順調です)。そうか、隣人部は「友達」ワードに弱いのか。理科が次なる布教品を持ってくることを楽しみにしています。

今回、新キャラとしてマリアのお姉ちゃんも加わったけど、やっぱり、美少女×残念=超残念の方程式は崩せなかったという。ま、まあ、美人なら例えちょっと下品でも、シスコンでも許されるよね!

恋愛ルートとしては、星奈か夜空の2つだとは思いますが、マリアvs小鳩の「お兄ちゃん」争いも愛いものだ。あ、勿論私は、幸村ルート推奨です。可愛ければ男の子でもいいじゃん! というかむしろ、可愛い男の子なんだからこそいいんじゃん!

もう数巻きたら、アニメ化の話もくるんじゃないかなと期待を膨らませつつ、次巻を待ちたいと思います。

僕は友達が少ない 4 (MF文庫J) Book 僕は友達が少ない 4 (MF文庫J)

著者:平坂 読
販売元:メディアファクトリー
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2010年8月 1日 (日)

となりの怪物くん5

となりの席の問題児・吉田春にたまたま優しくしたことで好かれてしまうものの、逆に雫の方から春に惹かれはじめると、何故か春はそれを拒絶。雫は自分の想いを封印して、昔の勉強一筋だった自分を見直し、少しずつ人と関わりをもとうとする。だが、そんな雫に好意を抱き始める男が1人。雫の想いを拒絶したものの、雫が気になり、雫に好意を抱くヤマケンが気になる春は、あろうことか雫の気持ちをまたも無碍にしてしまう。すれ違う関係の中、今度は雫の友達・夏目の恋が動き出し……

モテる女もつらいんです、ということで夏目さんの話だったけど、これがまた面白かった。

男にモテすぎることで友達が出来ず、長所のものが短所になってしまった夏目さんが、みっちゃんへの恋心を自覚したものの、まあどうせ私のことを好きになるでしょ?と何処か軽く考えていたところ、告白をオールスルーされて、あらためて色んなものろ向き合う姿がとってもピュアで可愛らしかった。そして、悩む夏目さんに相変わらず容赦ない言葉(天然)を投げかける雫が少女漫画の主人公とは思えないほど淡々としていて、でもそこがまた良い味をだしているんだ。

しかし、雫をはじめ、春にみっちゃんという天然が揃う中、唯一周りがわかっているササヤンが、あんな底抜けた明るさを持っている反面、「自分の想いが届かなさそうな人に恋をする」みんなを1歩下がってみているのが気になった。忘れてたわけじゃないけど、そういえば彼の物語はまだはじまっていないんだよなあ。

そして、夏目さんの話を礎に再び、雫、春、ヤマケン、大島さんといった恋愛関係の話になっていくんだけど、これがまたヤマケンのツンデレじみた好意にキュンキュンくるんだ。やたら、不憫だけど! 不憫といえば、大島さんもちょっと可哀想だったな。

自分が雫に惹かれていることを認めたくはないけど、でもどうしても気になるという彼の心情にニヤニヤしてしまったのは私だけじゃないはずだ。そんな想いを持ちつつ、雫にアプローチをしながらも、雫はそれをスルー。気付かれないことに安心する一方、なんで全然理解してくれないんだと落ち込む姿に思わず温かい視線をおくってしまった。携帯の番号を聞き出すあのシーンとか床をゴロゴロしました。

雫が知らない中で行われる春vsヤマケンが益々ヒートアップしてて、今回も満足。うん、みんな可愛いよ。

相変わらず次回予告が良くも悪くも面白くて、次の内容が断定できないけど、でも次はササヤンがくると信じている。さわやかな泥沼(矛盾)になっちゃえ!

となりの怪物くん(5) (デザートコミックス) Book となりの怪物くん(5) (デザートコミックス)

著者:ろびこ
販売元:講談社
発売日:2010/07/13
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