王子はただいま出稼ぎ中
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王子はただいま出稼ぎ中 (角川ビーンズ文庫) 著者:岩城 広海 |
借金だらけの貧乏国・フォーレの王子ユートは、連れのイルと共に、姉の嫁入り資金を稼ぐため、隣国・ニーザヘイムに入り、剣術大会に出る。途中で知り合いになった、少し謎めいている男・タジェスから誘われた食事の帰り、2人は急に冤罪で捕まってしまう。牢屋に入っている中、現れた1人の女性が告げたのは「死にたくなければ、王太子を暗殺しろ」というもので……
帯に「まるマに通じる魅力」と書かれていたことと、表紙と題名がコミカルチックだったことから、てっきりギャグ主体の話かと思っていたけど、予想以上にしっかり骨組みがある感じだった。
まあ、序盤は「ユートが女顔」ということで弄られていて、結構コミカルだったんだけど、冤罪で捕まってしまう辺りからちょっとずつシリアスになるんだよね。何とか敵を欺いて、逃げおおせたものの、王太子の暗殺をしってしまったのだから当然、追いかけられるわけで、そしてその途中でタジェスに会い、匿ってもらう……だが、ここで重要なのが登場人物紹介のページ。タジェスは「腹黒」と、堂々と書いてあるわけですよ。読者からしたら、あからさまに怪しいわけです。というか良く考えたら、冤罪でつかまったのって、タジェスの所から帰るときだよね? ああ、こいつもしやとか思いつつ、ページをめくるわけです。
しかし、そうこうしているうちに家が襲われ、逃げる途中ユートを庇ってくれたタジェスは、何かただのいい人にも見えてきて、うーんと考えているところで、今度は王宮に隠し通路を使って、忍び込もうということになります。さあ、彼が味方なのか、敵なのか……は、流石に読んで確かめてください。
タジェスは言うまでも無く、ユートがただの、おてんば主人公キャラかと思えば、意外と冷酷な過去があったり、個人的にイルの、時折みせる冷たいものはこの巻の、ふわふわキャラの印象で片付けてはいけないもののような気がします。審査員の評価通り、キャラ作りが楽しい感じだなと思いました。
ラストの黒幕については、色々と思うところがありますねえ。ニーザヘイムは、予想以上に大変なことになってるんじゃないでしょうか。
事件は終わったものの、まだまだこれから大変そうです。フォーレの借金も多いし。多分、シリーズになると思うんで、ちょっと続きを楽しみにしています。
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